#14-29. 空港で起きたこと..(屋外編)
正直、本当に運がよかったんだろうな.. と心から思った。
とは言え、命がどうのこうのっていうハナシではない。
しかし、そこそこ旅した自分ではあるが今回は「ほんとうに運がよかった」の一言に尽きる..
そういうオハナシです。
m(_ _)m
当然、帰路の途中でテロや事件に遭遇したとかではない。
しかし、エジプト・シナイ半島でのロシア機撃墜事件。
そして、その後起きたパリ発カイロ行エジプト航空M804便の地中海墜落事故..
悲惨な事件(事故)が続けて起きている状況には変わりない。
今回遭遇した状況って、多分だけどカイロ空港では今もそんな感じじゃないかな。
だから、もう大分テロという恐怖から忘れつつある現状かもしれないけど、少なくともエジプトに仕事もしくは観光に行くという人は参考にしてほしいと思う。
まず、何が起きたのかについて話す。
以下の写真を見てほしい。
これは行きの到着時の写真。
terminal1の写真がこれしかないのでこれで説明するしかない。
これじゃ、全然雰囲気がつかめないとオモウケドごめんなさいと言うしかない。
写真を常に撮りまくる俺だけど、その自分が1枚も写真を撮ることができなかったからな。
ホテルを出発し、空港に到着したときのことだが..
terminal1ということなので、地図上のここに到着し、ここから飛び立ったということだろう。
位置関係を示したのがこちら。(↓)
これがCairo Airportの衛星写真でterminal1を中心に写している。
橙の線はHotel carの移動ルート..
右下から矢印の先まで進み、そこで降ろされたという場所。
もう少しわかりやすくするために、黄色の枠で囲まれたところを拡大したものがコチラ..(↓)
繰り返すが、青の矢印のところまで車で移動しここで降ろされたということで理解してほしい。
今回はここからその話が始まる。
上の画像にはオレンジの枠とイエローの枠があるわけだが、これが何を表すのかというと「人だかり」..
空港の中に入ることができない出国待ち・出迎え等、要は空港施設内に入りたいと考えている「マチ」の人。
オレンジは「超激混み」で山手線の通勤ラッシュを終えるくらいの時間帯の混み様..
ほとんど人と人がくっついて押し合っている状態。
そうそう、激混みでないところがあったとすれば「ハロウィンの時の渋谷のスクランブル交差点で信号待ちしているのと同じかそれよりもっと混みあっている雰囲気」が近いかな。
黄色は中に入ろうとうじゃうじゃと移動している人もいれば長い行列につながって待っているという状態。
ハロウィン時のスクランブル交差点の信号が青に変わり、一斉に人が動き出す感じでもいいかな。
これが一番分かりやすい例えだと思う。
そもそも、青の矢印のところで降ろされたのはイエローの枠より下の部分では車がぐちゃぐちゃで駐車する場所が全くなかったからだ。
10数メートル先の駐車場から車が出ようとしてもそこまでに3~5台くらいは縦列並列に待機していてまったく停めれる様子は微塵もない。
この時思い出したのは、クソドライバーが言った「まだ早い時間だから、知り合いの店やマーケットに連れて行ってあげるよ」という提案。
そもそもお前のことは信じていなかったし、耳を傾ける思いは微塵もなかったんで「ホント」耳を貸さなくてよかったと思ったが、もしちょっとでも寄っていたら絶対に出国できなかったな。
オレンジは通勤ラッシュ時間の山手線のホームで、空港の建物の入り口付近は駅員さんがドアの中に一人でも押し込もうと後ろから押すあの混み様と同様。
ほんと凄かった。
正直あの人だかりを見たとき、「エジプトのどこかでテロが起き、急いで1分でも1秒でも早く、一人でも多く出国しようと逃げるへ飛び立とうとする状況」を真っ先に思い浮かべた。
信じられないかもしれないが、冷静にあの現状を振り返っても今でもそれが正しく間違いがないと思う。
だから、エジプト渡航を考えていない人は話半分で、仕事や観光で考えている人はこの状態が起きている「自分が遭遇する可能性が十分あるハナシ」と思ってほしい。
甘く考えると、本当に痛い目を見るゾ!
最悪の状況のひとつを想定しておくのは絶対に必要。
そう思った。
これが今回の記事から、心から伝えたいアドバイスだ。
さて、出発2時間前に空港に到着したわけだが、この異常な事態を正しく把握できことは勿論できなかったのだが、このピンチを救ってくれたのがエミレーツのコレ..(↓)
どれかというと..
多分..
このネームタグだ思う。
駐車場で俺が降ろされた場所が空港の建物の入口から多分150m以上離れた場所だと思う。
多分、200mくらいは離れていたと思う。
その中で、駐車場に降り立ち、荷物を降ろしスーツケース(大と小)、ボストンバッグ(大)
そして、ショルダーバッグ(中)をもって移動だ。
建物から200m以上離れた場所からこの量をカートなしで運ぶのが如何にしんどかったか。(笑)
それでも、この異常事態を自分一人の力で乗り切らなければいけない現実があったわけで、とにかく「やるしかない!」だった。
100m、150mも離れたくらいから激混み状態なので、とにかく列を見つけてその流れに乗るしかないと腹をくくる。
しかし、5分経って進むのは数mの世界..
一気に緊張が走った。
やばい間違いなく飛行機に乗れない..
とね。
なんだかんだいって30分くらいたっても多分10mも進めなかったと思う。
正直、この時点で半分諦めかけていた。
そんな時、一人のオトコが私を見つけこっちにやってきた。
明らかにエジプトの人で、容姿というか特徴については誤解や差別的な感じで受け止められてしまう可能性もあるので、「まんまエジプト人」とでもしておこう。
その人が私を見るなり、「Emirates?Emirates?」..と声をかける。
恐らくは上の写真のやはりネームタグを見たとしか考えられない。
真っ白のスーツケース×2、ビトンのボストンを見たら間違いなく観光客だと特定できるしな。w
「Emirates?Emirates?」..
の問いに対し、状況を飲み込めずしどろもどろしながらYes!というと「OK! follow me!」と私のスーツケース2つをもって移動を始める。
空港の職員であればスーツを着ているし、ネームタグもつけているからな、スグわかる。
でも、こいつは思いっきり私服でまんまエジプト人。
どんどん先に進んでいくのだが、盗もうとしている雰囲気もない。
スグに後ろを振り返り、「Hurry up! Hurry up!」という。
そして、その後2度.. 「Emirates?Emirates?」と何度も確認をする。
ここからが凄かった。
よくわけがわからないが、このオトコは人ごみを無理やり押しのけてグイグイ割り込む。
日本人なら誰一人そんなことをしないし、しようとも思わないレベル。
ただ、超強引な割り込みによって確実に入口に近づくのは確か..
建物の入口残り30mくらいになって、なぜこの混み方になっているのかの理由がわかった。
建物に入る入口のところで持ち込み荷物の検査(=1つ目のセキュリティーチェック)をしていたわけだ。
入口のところに、X線の例のあれが置かれ、空港職員がドア(入口)をセキュリティチェックのゲートとして使っていた。
確かにすべての入口でこれを行い、封鎖してしまえば他に入口はないわけだからな。
ある意味的を射ているわけだ。
そこでセキュリティーチェックまで15mほどの距離に近づくと男はまた突然「Give me money!」「Give me money!」と要求。
実はこの前にスーツケースを俺から預かり?ほぼ直後にもお金の要求があった。
このときが初めての要求だった。
決まって、「Emirates?Emirates?」.. 「OK! Give me money!」「Give me money!」を連呼..
意味が解らなかったけれど、既にエジプトポンドはすべてチップで使い果たしているので「お金はない」と伝える。
それでも、「Give me money!」「Give me money!」を繰り返す。
エジプトポンドはないけれど、米ドルならいくらかあると伝えると「OK! American dollar!」「Give me money!」とまた繰り返し始める。
初めは10米ドル、2度目は20米ドルとだんだん増えていくのだが、確かにその価値はあったのかもしれん。
但し、他の人に本当に申し訳ないと心から思えるような異常な割り込み方というか完全に列というか並びを無視して割り込み人を退かし超強引に先に進む。
入口付近になると、入口に構える空港職員とその男はアイコンタクトを始める。
するとまた、「Give me money!」と20米ドル渡す。
するとその職員が入口付近のちゃんと並んでいる人たちに対し、命令し始める。
「おい!そこ道を開けろ!人が通るからチョット待て!」というかなり高圧的な感じの合図と指示をすると、すべての列と人を押しのけ人と人の間を無理やり開け、通り道を作らせる。
これって絶対にやってはいけないことだろと思いつつも「Follow me!」のまんまエジプト人についていくしかない。
空港職員に「コイツ(=俺)はEmiratesだからよろしく!」と言いX線のヤツを無視して横からスーツケースを職員に渡すために柵の上から堂々とスーツケースを手渡しし、私は並んでいる人を職員が押しのけてできた道を進めという感じで通され入っていく。
何かあるごとに「Give me money!」でお金を要求するので都度渡していくしかなかった。
しかし確実に建物内に進み、チェックインカウンターに向かっていることは理解できた。
建物入口のセキュリティーチェック?荷物検査?をすり抜け.. いや、もしかしたらX線の装置の中に気づかなかっただけで通していたのかもしれない。
その辺は本当にわからなかったが、完全に建物内に入ることができた。
でも、この時点で彼にスーツケースを渡してからほぼ30分の時間を要していた。
彼に出会わなかったらと思うと、それはそれでぞっとするわけだ。
とりあえずは、賄賂になるのか?
よくわからないが、建物内に入ることがなんとかできたわけだ。
そして、飛行機が飛び立つほぼ60分前のできごと。
ただ、次の建物内も凄かった。
というかほぼ似たような感じだったが..
とりあえず今日はこの辺でおしまいとし、次回の記事では建物内で起きた出来事を伝えようと思う。
建物内でもスゴイことが起きていた。
それはまた次回ということで..